彼と彼等とゆーれい 6
場の空気が、見事に凍った。寒々しい雰囲気、ってゆーれいに雰囲気も空気も関係ないはずだけど
居心地サイアク。
ついでにミナミ君の表情も固まってる。すげえ怖いんですけど。
『あの、知ってますよ、アレですよね? なんかあの、死んだら成るやつ』
ワタワタと無駄に両手を動かして、空気をかき混ぜてみる。
多少空気変わらないかなと期待して。 変わらなかったけど。
「何?ゆーれい成仏できないって?」
「・・・らしいよ。」
「ふーん、なんで?」
ああ。なんて癒される長閑さなんだろう、新堂君は。
「・・・」
ミナミ君が視線だけを寄越して来る。むちゃくちゃ怖いです。
『あのですねぇ。 以前トイレから出ようと試した事はあったんですけど無理でして。なんか無理なんですよ。 こう、ねばねば〜っとして出れなかったの。で、ですねえ、多分トイレから出れたら、ゆーれいじゃ無くなるんじゃないかな〜、とか思ってたんですけど。
思ってたんですけど。
なんか、出れてもゆーれいのままみたいですし、自分でもどうしたもんやら、困ってるんですよ。』
「ま、たしかにオレだって今死んだらどうやって成仏するのかとか知らないし、困るよな。」
うんうん、と新堂君は一人頷く。
「で?どーすんのよゆーれいは。新堂にくっ憑いてたって成仏はできないよ?」
「あれ?急いで成仏したいの?ゆーれい」
『あれ?って・・・』
お邪魔じゃないんですか?自分
「・・・しんどーう、おまえなぁ」
「え?なんか変な事言った?」
『いや、あの・・・』
「とりあえず!」
ひときわ大きな声をだすミナミ君。
あんまり大きな声を出されると体がビリビリします。ゆーれいなんで。
「こいつ引っぺがさない限り、・・・いろいろしないから!」
いろいろって・・・
「いろいろって・・・・・・え?」
「ったりまえだろうが!俺は見られてるって分かっててそーゆーことは出来ない!」
立ち上がったミナミ君は、新堂くんと自分を等分に見比べた後、呆然とする新堂君を置いてさっさと出て行ってしまった。
「いろいろって、・・・そーゆー事?」
そーゆー事、でしょうね。きっと。
しばらくしてからもらした新堂君の呟きに、聞こえるはずの無い答えを返した。


